「ジャーマンエレクトロといえばクラフトワーク」なのはいいとして、クラウトロックの系譜全体から見ればカンやノイ!やハルモニアやクラスターといった人脈にブライアン・イーノがかぶさる、というあたりを無視するべきではございません。
人生の最も穏やかな瞬間を音楽にしたため続けている佳作家、Clusterの半分Roedelius。ソフトウェアの機能に拠ったグリッチーなエレクトロニカでも、子供向け楽器の音色を多用するトイテクノでもないところで、日常のスケッチ集のようなサウンドをつむぐTo Rococo Rot(回文)のSchneider。この2人が邂逅。
なんですかね、この素晴らしい出来は。どこにでもありそうでいながら他のなににも似ていない、オリジナルな音じゃないですか。
エレクトロニカだって、まだまだ前に進めるんだよ。
(via クラスター/ハルモニアのHans-Joachim RoedeliusとTo Rococo Rotのステファン・シュナイダー、コラボ新作『Tiden』発売)