マドンナの新譜 “MDNA” は、「Madonna の省略形」なのか「”M” の DNA」なのか「MDMA のアナロジー」なのか、どれなんでしょうね。イギリスのオンライン音楽販売サイト 7 Digital を見ていてちょっと驚いたので、メモがわりに。
これとこれ、どちらも正真正銘のマドンナの新譜ですが、一方は $5.00 でもう一方は $11.99 です。値段が倍以上違いますが、エディション違いでもなく、誤表記でもなさそう。なんで複数あるんでしょう?レコードや CD の輸入盤では店によって値段が違うことは昔からあったし、ダウンロードサイトによって値段が違うということもあったけど、同一サイト内でここまで違いがあるってどういうことでしょうか。
答えは、出荷元が違う別商品扱いだからです。クレジットを見ると、高いほうがアメリカのディストリビューター Interscope のカタログで、安い方はタイのユニバーサルのカタログ。さらによく見ると、タイ版のほうが 1 曲多くなっています。
つまり別々に現地の価格水準で仕入れていて、内容はそのままに為替差分が価格に反映されているということなんでしょう[1]。
これ、ユーザーとしては「タイ版安いぜイェイ(サムアップ」ということでいいんですけど、商売として考えると「いよいよだなー……」と、引き締まるような気持ちにもなります。オンラインは、中間的なものすべてを省略する方向へ、確実に進んでいます。
こうなっていてアメリカ版を買う選択って、ほぼありえないですよね。タイ版はタイ語で歌っている[2]とか、日本版の CD のように「世界最大曲数を収録!」とかなっていないかぎり、アメリカ版を買う理由は見当たりません。
オンラインになりうるコンテンツで商売するのであれば、売るもの、売れるもの、売りたいものを「作る」能力だけは磨き続けていかないといけませんね。