人間は「あなたは大切な存在で、生きている価値がある」というメッセージを、つねに探し求めている生き物だと思う。そして、それが足りなくなると、どんどん元気がなくなり、時には精神のバランスを崩してしまう。
「こんなものでもいい」と思いながらつくられたものは、それを手にする人の存在を否定する。とくに幼児期に、こうした棘に囲まれて育つことは、人の成長にどんなダメージを与えるだろう。
大人でも同じだ。人々が自分の仕事をとおして、自分たち自身を傷つけ、目に見えないボディブローを効かせ合うような悪循環が、長く重ねられている気がしてならない。
自分の仕事をつくる (ちくま文庫)
西村 佳哲筑摩書房 2009-02
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この本は単行本だったころにも読んでいて、とてもよい本という印象があったので文庫になったのが遅いくらいと思いますが(単行本が売れ続けてたのかな?)、この最初の一文の破壊力ったらないですね。