わかるから偉いってもんでもない

もうすぐお前のポイントのなにがしが有効期限を迎えるのである、という趣旨の表示が出ているのに気付き、じゃあ Edy にでも変換するか、と設定してコンビニの受け取り機へ出かけたら、おばちゃんというかおばあちゃんというかという具合の婦人が、受け取り機のすぐ脇で何をするでもなく立っています。

「あのう、すみませんいいですか?」
「え、ああ、ごめんなさいね」
「いえ」

チャージするカードを取り出してカード置き場に置こうとする私の脇から、興味深そうに機械と画面をずっと覗き込んでいます。

「これは、なにするもんなの?」
「え、えーと……このカードをレジで使えるようにするんですよ」
「お金になるの?」
「んー、まあそんな感じですねえ」
「まー、あたしらには全然わからんわねえー」
「あはは、こんなのねえ、わかりにくいですよねえ」

照れ隠しなのか、私の二の腕あたりをパンパンたたきながら、おばちゃんはわかったようなわからないような顔をしています。記号のオンパレードみたいなもんだもんなあ、しょうがないよなあ、と思いながらチャージを済ませました。
しかし、せっかくだから飴でも買ってくかとカードをそのまま持っていったら、レジ前で狼狽。いつのまにか、Pasmo に Suica にあれにこれにと、IC カードリーダーが山ほど、縦にラックみたいになって並んでいます。

「……あのう、Edy はどれでしょう?」

わたしにも全然わからんわねえー。