よく聞くけど実際に見たことはない、というものはたくさんあるものですが、BBCの歴史あるテレビ番組”Top Of The Pops”も私にとってそのひとつ。The KLFが元気だった頃に出演して騒ぎを起こしたりとかっていろんなエピソードを知識として知っているものの、実際にどういう番組なのかはまったく知りません。
で、はじめてみてみたわけですが、ああなるほどそういうもんか、という感じでした。当たり前なのですが、日本で言う英国産の「洋楽」はBBC的には「邦楽」なわけで、タモリやダウンタウンにいじられてなんぼ、というのと同じ香りを感じました。
ただ目から鱗だったのは、「今週のチャート」のようなコーナーでMassive Attackが普通にチャートインしていたところ。MCのお姉ちゃんも「超すごいブリリアントー!」って感じで紹介していて、これってつまり日本のゴールデンタイムな音楽番組でBlue Herbが扱われているようなもんなんじゃないだろうか?という疑問が浮かびました。そこで、ブリストルへ行ってみることにします。
Collected – The Best Of Massive Attack
Massive AttackVirgin 2006-03-27
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ロンドンの真西に位置するブリストルへは、London Paddingtonから向かいます。途中にある”Reading”とは、あのレディングなんでしょうね、きっと。ただあいにくの空模様で、なにやら不穏な雰囲気です。案の定、レディングに着こうかというあたりで徐行運転になってしまいます。アナウンスによると、今朝から信号機のトラブルで運行が乱れているとのこと。
列車は結構頻発しています
そう知ったところでどうしようもないのでボーっと車窓を眺めていると、見慣れたロゴマークが目に入ってきます。どうやらレディングはIT企業誘致に熱心なようで、確認できた限りでOracle、hpのキャンパスがありました。この位置だとロンドンから通勤するのはそれなりに大変そうですが、アメリカの雰囲気を出すためにはこのくらいのスペースと雰囲気が必要なんでしょうか。ここでは米国企業も外資系のひとつでしかありませんしね。
途中、なぜかその町だけ景色のまったく違う町”Bath Spa”を通過。Spaってくらいで古くからある温泉町だそうですが、特別な石材の産地でもあるらしく、おそらくそれゆえに、家々の外壁がクリーム色をしています。ほかの地域はほとんど赤茶系のいわゆる「レンガ色」でしたが、これくらいの色合いだと町全体の印象が明るく変わります。
さて、列車で移動する場合ブリストルはBristol Temple Meads駅で下車することになります。たぶんに私の思い入れによるものでしょうが、雰囲気がいいです。降りた第1歩からなにやら気分がいい。
Bristol Temple Meads Symmetry
あいにくのミスティな天気ではありましたが、それが逆に私には心地よく。町の中心部でもカモメが上空で鳴き、どことなく潮の香りがします。「ブリストル大聖堂という有名な建築が……」とガイドブックには書いてありますが、カテドラルは各ブロックごとにあるんじゃないかというくらいに町中あちこちにあります。まったく文脈を持っていないのでどれもこれも重要に見えてきますが、それぞれにそれぞれのストーリーがあることでしょう。
ところで”Meads”ってどういう意味なんでしょう
港町としての歴史、町の規模感、人々の雰囲気。それほど観光コンシャスではありませんが、もともと名所名跡めぐりよりも普通の町歩きを主体にしている私のExcursionには、ブリストルはよい町のようです。ここに来るまでまったく知りませんでしたが、Massive Attackと同じくブリストル出身なPortisheadは、実は地名が由来だったんですね。
ブリストルより海側のポーティスヘッド