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I HAVE BATTLES IN MY LIFE (Dingwall, London)

おもえばそれまではてなダイアリーにあった私のブログをここに移そうと決めたのは、渋谷でBattlesのライブを見て帰ってきた日でした。およそ1年半ぶりに、彼らのライブを見に行きます。彼らを最初に見たころは、EPのリリースごとにレーベルが変わっているような不安定さでしたが、今は本拠地ニューヨークからロンドンへ移動、Warp Recordsのアーティストになっています。

シェフィールドで誕生したWarpもロンドンへ移転した経緯をもっていますが、実はこの道中、シェフィールドではスヌーカーのチャンピオンシップが開催されていて、BBCが連日長時間放映しています。外出せずともホテルでテレビ見てても十分楽しめる、という日々が続いて、これはうれしい。

Battlesのライブは、ロンドンのカムデンタウンというところにある”Dingwall”というライブハウスだそうです。PCを持ってない私、さてそれはどこにあるんでしょう、というところからすべては始まります。というわけでロケハンに出発。


ガソリン高いですねえ

カムデンタウンは、東京で言うと下町系、出店屋台たくさん出てます人たくさんいます系の地域のようです。ただ、ライブハウスの名前、限定的な住所と何種類か持っていたロンドンの地図を手に歩き回ってみると……どうにもほかの地域では感じなかったバイブを感じます。髪が紫色ないかにもロンドンパンクないでたちのみなさんや、黒人軍団がたくさんたむろっている、といった様子がほかと違うのでした。マンチェスターもチンピラの町って感じでしたが、あちらはなぜか眼の回りのみ顔色悪い系が中心だったので、一番近いのは私の知る限りではニューヨークでしょうか。

が、歩き始めた出会いがしらに「Yo!金くれYo!」という黒人→白人のタカリをいきなり目撃、うわーやべーという負のバイブでいっぱいになってしまいました。東洋系はそれほどいない気配なので、いやボク自然ですよホラこれでもロンドン子ですし、という(つもりの)雰囲気で、めざす”Dingwall”を探してみるものの、少なくとも表通りにはなさそうです。しょうがなく出店などを眺めつつ町の中をもうちょっと深めにさまよってみることに。


私の生命線

カムデンロックマーケットの中に、小川というか水をためている池というかで広場っぽくなっているスペースがあります。そこで一服していると、どこかで聴いた覚えのあるサウンドが耳に入ってきました。バンドの練習っぽくてノイジーですが、フレーズになんとなく聴き覚えがある。ん?と思っていると、まさにBattlesが練習しているところでした。建物のどこにも”Dingwall”って書いてないんですが、たぶんこの界隈なんだろう、ということでロケハンを完了。

開始時刻近くに戻ってくると、人が集まり始めています。A4の紙に本日の演目が書かれているものが1枚入り口に張られているだけ。よく考えると日本だって似たようなもんですが、もうちょっとわかりやすく!と軽く憤りながらチケットのピックアップに並ぶと、若かった頃のジム・オルークのような顔をしたメガネくんに話しかけられます。

「ねえ、チケット買えそうなの?」
「ん? 私は購入しました すでに」
「あーそうなんだ」

後で知ったのですが、前売りはソールドアウトで、彼は当日券目当てだったようです。現在はロンドンでの顔見せ的活動が主体のようですが、それにしてもBattlesは以前よりもパワーアップしている印象です。新曲らしき覚えのないフレーズの曲もあり、そのうち出るんであろうアルバムがとても楽しみになりました。しかしColdcutのときも思いましたが、ライブの反応がこちらはとても熱いですねえ。

最中にはなぜかスタッフがステッカーを配って歩いていて、ここぞとばかりにもらってきました。

The WIREのBattles記事とステッカー