VistaもOffice12も遅れますよ宣言によって、つまりそれはLiveな方向への道筋を用意するための追加拡張を突貫工事をはじめているってことなのかなあ、などと道路工事の渋滞待ちに考えてたりしている私ですが、そもそも世間への情報の伝わり方は結構適当です。
先日、これを伝えながら「なのでMSFT下がってます」という趣旨でまとめているニュースをブルームバーグで見ていたら、IT業界が専門というアナリストが「Windows VistaはWindows 95以来の革新的な基本ソフトであり……」とはっきり言っていて、ちょっと狼狽しました。ひょっとしてWinFSが発表された頃の認識のままで話しているのかもしれず、であればそのアナリストの不見識とも思いますが、まあでもそれで話が通じてたし、引き続き革新的であるという認識がなされていると考えてみましょう。
WinFSが謳っていた、ファイルシステムやデータの構造自体が変わることで、ファイルやプロセスの管理方法も変わる、おのずと検索も超高速になり、何もかもが変わる、というようなビジョンにはワクワクしていたのですが、それ、実は言葉やイメージで一般のユーザーに伝える手段はありません。日経ビジネスや新聞などの記事深度レベルなら結構な範囲で情報は流れますが、たとえば日経エレクトロニクスのGoogle特集のレベルは、限定的にしか伝わらないものです。ないものは想像で補わなければならないし、だいたいデータ構造なんて気にしてPCを使うのは全ユーザーのどれだけの割合かー、と。
どれだけ最先端な発明でも、それを買ってくれる人がいなければ商売にはなりません。実際に試して体感できないような新技術の種よりも、インターフェイスやビジュアル要素が変わることのほうが、ユーザーにとってはよっぽど劇的な変化といえるのでしょう。