Vistaが遅れても足元は先に固められそうな気配

ほほー。

上場2千社、企業統治データベース化 東証
2006年03月21日20時21分
http://www.asahi.com/business/update/0321/034.html

東京証券取引所は、全上場企業を対象に提出を義務づけたコーポレートガバナンス(企業統治)報告書を、データベース(DB)化して6月から一般に公開する方針を決めた。これまで各社の企業統治の取り組みについては、決算短信のなかで開示を求めていたが、財務情報と切り離して公開させることで、積極的な開示を促す狙いだ。

対象は、東証の第1部、第2部、マザーズの上場企業約2300社。3月中旬から受け付けを開始し、5月31日までの提出を求めている。6月初旬にはこれらの報告書をDB化して、東証のホームページで閲覧できるようにする。報告事項は、外国人株主比率、取締役の報酬開示状況、社外取締役・社外監査役の所属や肩書、会社との関係、選任理由など約40項目。他社との比較がしやすいよう、決まった様式に沿って記載するよう義務づける。

企業統治に関する事項の開示は、詳細な基準がないため、内容が各社まちまちで具体性にも欠ける、との指摘が出ていた。

上場企業の四半期決算情報開示は、東証がリードを取ったアクションプログラムによって方向性が定められたものでした。これによって決算の高速化を余儀なくされる上場企業に対して、ITベンダーは決算処理をスピードアップさせるソリューションの導入を進めてきたのです。そりゃ、たとえば連結子会社が何百社もあるような企業グループの決算を3ヶ月に1回やろうと思ったらかなりの作業工数になるわけで、人を増やすよりもシステム投資が進むのは当然の理屈です。
今回のガバナンス強化指針も、東証が提示する標準に合わせて整備したまえ、という意味と解釈できそうです。詳細はわかりませんが、セキュアな業務環境でなければ駄目ですよ、と宣言しようとしているようなものだと思われます。Windows Vistaのリリースが遅れようが、Windows Server(というかActive Directory)の採用が進みそうですね。Winnyがどうとか以前にクライアントサイドでアプリケーションのインストールなんて認めないからそこんとこよろしく、というシステム部門の高らかな宣言とともに。
……実際には、画期的ITソリューションの導入後にはなぜか紙が増えて回覧が増えて承認は遅くなって担当者はキレて、なんてなってそうな気もしますけど、まあそんなのはどこにでもある話です。システム導入によって3歩進んで2歩下がってるくらい(つまり33%の向上)なら上出来、くらいに考えておいた方がよいのは定説。基本的な効率性判断のトレーニングを社員に実施した方が、IT投資をがんばるよりも効果がありそうに思ったりもします。